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正しい焼香のしかたは?

お葬式に行って焼香する段になると、いつも迷ってしまいます。
私のお寺のご住職は、いつも口うるさく「焼香は1回だけ、自分の身をきよめるのだから香は額にいただく必要はない」と言うのですが、見ていると違う人がたくさんいます。
香をつまんで目の高さにあげて香炉にという動作を3回やっている人がいます。
どちらがほんとうなんでしょうか。
(福岡県 田中昭子さん 48歳)

田中さんのお寺は浄土真宗本願寺派(西本願寺)系統なのではないでしょうか。
田中さんのお寺のご住職は正しいことをおっしゃっているのです。真宗では香を額にいただいて焼香することはしません。回数は本願寺派(西本願寺)では1回です。ただし、同じ真宗でも大谷派(東本願寺)系統では2回と異なります。

そうすると3回というのはまちがい?

仏教といっても宗派によって所作がちがうのです。真言宗や日蓮宗では通常3回です。その他の天台宗、浄土宗、臨済宗、曹洞宗では回数は特に定まっていません。

香を額にいただくのはまちがい・・・・・・?

いえ、真宗は香を額にいただくことはしませんが、他の宗派では香を押しいただくようにしてから焼香します。宗派によって違うんですよ。

では、田中さんが、たとえば日蓮宗のお寺の葬儀に行ったら、どっちの方式で焼香すればいいのですか?迷ってしまいますね。

うかがったお寺に敬意を表してその宗派のやり方に合わせるのも一つですが、田中さんのお寺のやり方で焼香してもいっこうにかまわないのです。田中さんには自信をもって欲しいですね。
所作は、どうでもいいというと語弊がありますが、大切なことは、亡くなった方を心をこめて弔うことであると思いますよ。

後飾りはいつまで飾るの?

義父の葬儀が無事終わったばかりです。
葬儀社の方が後飾り壇を設置してくれましたので、そこにご位牌と遺骨を安置して、毎朝お線香とお水をあげています。これはいつまでするのでしょうか。
(新潟県 山本和子さん 60歳)

ご家族のお葬式を出すということは、精神的にもたいへんなことですよね。
葬儀の後に小さな壇を設えますが、これを「後(あと)飾り」または「中陰壇」などといいます。「中陰壇」という名称からもわかるように、中陰、つまり四十九日の間飾っておくものです。

「満中陰」という言葉が香典返しの熨斗に書いてあったように思いますが。

それは、「無事四十九日を過ぎました。ありがとうございました」という意味なのですよ。
輪廻転生の考え方では、生まれる瞬間を「生有(しょうう)」、生きている間が「本有(ほんぬ)」、死ぬ瞬間を「死有(しう)」といい、亡くなって次の生をうけるまでを「中陰」「中有(ちゅうう)」といいます。これが49日間だとされています。一般に四十九日をもって忌明となり、中陰壇(後飾り)は撤去します。
亡くなった直後というのは、ご遺族にとって悲しみが深い時期ですね。そこで昔から四十九日が大事にされてきたのだと思いますよ。

撤去後、遺骨はいずれお墓などに納骨するとして、位牌はどうするのですか?

葬儀でお作りしたご位牌は白木ですが、これはお寺にもっていきます。代わりに塗りの本位牌を作っていただき、この本位牌を仏壇にお納めします。
ただし、先ほどの田中さんのように、真宗の方は本位牌を作りません。仏壇の過去帳などに法名を記しておきます。

本位牌はすぐ作ってもらえますか?

完成まで2週間くらい見ていただくとありがたいですね。初七日が過ぎたあたりで、葬儀社にご注文いただければ、期日に間に合うようにお作りしてお届けします。

きまったお寺がない場合は?

私は東京に出てきて40年。お墓は3年前に郊外の民営霊園を入手しました。
特に懇意にしているお寺がありません。葬儀の時はやはりお坊さんにきてもらい、お経をあげてもらいたいと思うのですが、どうしたらよいでしょうか。お寺によっては戒名料が高いなどといわれることもあり、心配しています。
(東京都 安原剛さん 64歳)

大都市やその周辺では、きまったお寺がないという方が増えていますね。
安原さんには、ご出身の地にはお寺がないのでしょうか。もし、実家が田舎のお寺の檀家なのでしたら、その田舎のお寺から紹介していただくという手があります。場合によっては、頼めるかもしれません。

でも、そういう関係もないときはどうしますか?葬儀社が紹介してくれるとも聞いていますが。

葬儀社でもご希望の宗派をうかがってご紹介はします。どうしてもというときにはご相談ください。
しかし、もっともいいのはご自分で探されることです。お寺にうかがい、話をされて、ご自分がここだと思ったお寺にきめておくのがいいですね。事前に直接ご相談しておけば、いざというときに「戒名料はいくらかかるんだろう?」などと、遺されたご家族が心配する必要もありません。

そういえば新聞で「戒名(法名)料という名称は使わない」という記事を読んだことがありますが・・・・・・

各宗派が集まって作っている全日本仏教会が申し合わせをしました。よく僧侶へのお礼の表書きに「お経料」「お戒名料」などと書く方がいらっしゃいますが、あれはまちがいだというのです。

どうしてですか?

お寺さんに葬儀をお願いするということは、お店で買い物するのとは違います。お経が30分だから5万円、60分なら10万円、というのではないのです。戒名(真宗では法名)も、5字なら20万円、8字なら50万円というのではないのです。
ある僧侶の方が「信仰と感謝の問題」といっています。心の問題ですから値段はつけられません。それぞれができるかぎりのことをするということが大切なのです。無理をすることもありませんが、単に安ければいいという問題でもないと思います。
表書きは「お布施」で統一します。

「お気持ち」といわれても、経験していないと、どう心を表現していいか・・・・・・

そういうときは、ご自分の気持ちをまず整理したうえで、ご僧侶や檀家さん、あるいは葬儀社にご相談するといいでしょう。
ほんとうにむずかしいのです。裕福なご家庭なら100万円でも小銭かもしれませんが、余裕のないご家庭では20万円でも大金でしょう。一律にきめるのが無理なのです。
データを見ると、30万円くらいの方と70万円くらいの方に分かれるみたいですね。あくまで目安にすぎませんが。

無宗教葬、自由葬とは?

私ども夫婦は特に信仰をもっていません。
最近、新聞などで「無宗教葬」「自由葬」という言葉を見ますが、どんなものなのでしょう。また、葬儀社さんに頼んでやってもらえるのでしょうか。
(愛知県 高橋淑子さん 72歳)

ええ、きちんと希望をおっしゃればやってくれますよ。
ただし、ご自分たちがどんな葬儀をしたいのか、という希望をはっきりとおっしゃっていただけるとありがたいですね。というのは、無宗教葬、自由葬といってもきまったスタイルがないからです。「無宗教葬」も「自由葬」も同じ意味で「特定の宗教宗派の儀礼によらない方式の葬儀」という意味でしかありません。私どもはお客様のご希望をうかがい、それにそって提案をさせていただくことになります。

葬儀は無宗教葬、お墓はお寺の墓地にということはできるのですか?

それは個々のお寺さんのご意見をお聞きしないと何ともいえません。「お寺の墓地は仏教徒である檀家さん用なので納骨できません」といわれる可能性もありますね。
また、無宗教葬でした後、ご遺族が「何かが足りない」といって、四十九日あたりにお坊さんにお経をあげていただくというケースもありました。葬儀は死別の悲しみにあるご遺族のためにもあるし、宗教儀礼は人知を超えた死に対処するために長く必要とされてきた、ということもよく理解してほしいですね。無宗教葬も葬儀社としてはご希望にそって受けますが、よくご家族でご相談したうえでおきめになるとよいでしょう。

さすが1級葬祭ディレクターですね。本日はありがとうございました。

こちらこそ。皆さんには葬儀社をいい意味で使ってほしいですね。どんなご質問・ご相談でも、いつでも、お気軽にどうぞ。

「香典」ってなんですか?

「お葬式」となると香典、いくら包んだらよいのか、いつもって行ったらよいのか、いつも迷ってしまいます。最近は「香典辞退」という人もいます。そうすると手ぶらで行くのも何か落ち着かないし。そもそも香典ってなんなのでしょう。
(大分県の匿名希望さん 女性・38歳)

基本的なことなのに香典で悩まれる方は多いですよね。かつては「香奠」と書きました。しかし戦後に「奠」という漢字が当用漢字(当時)から外されたので「香典」と書くようになったものです。元の意味は「香を供える」という意味でした。本来は、亡くなった方へ哀悼を表し、お香を供えるという表現としてありました。今でも、香典の本来の意味は生きていると思いますよ。

だからですかね。「香典辞退」と言われると、「会葬するな」と言われているようで落ち着かないのは?

香典は会葬者の故人への気持ちの現れだからです。金額は問題ではないのです。昔はお金ではなくお米や野菜などの食料を香典としていました。

どうして?野菜などをもっていったのですか?

「食い別れ」という言葉があるように、親しかった人に別れを告げるために、昔の葬式では食事が重要な意味をもちました。その食材を皆でもちよったのでしょうね。それぞれが食材をもちよることで喪家の負担も分担したいという気持ちがあったと思います。

そうすると、香典は皆で死者に別れを告げ、皆で葬式を出すためにあったということですね。最近、その気持ちが薄れてきたのは残念ですね。

仮に会葬者が1人1万円出して100人集まれば100万円のお葬式が出せます。親戚の人はより多く負担します。ご近所の方は、お金は少しでもお手伝いという形で労力を提供するのも立派な香典です。親戚はすぐもって行き、一般の方はお葬式のときに持参する、これが基本です。香典返しは皆さんのおかげでお葬式が出せましたという遺族からのお礼です。

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